身長と筋トレの関係

「小学生、中学生の身長を伸ばしたいなら、筋トレはしない方がいい」

「子どものうちから筋トレすると背が伸びなくなる」

といった話を耳にしたことありませんか。

それって、本当なのでしょうか。

そんな噂話を聞くと…

「筋肉がつくような運動をさせてはいけないのではないか」

と心配に感じてしまう親御さんも少なくないのではないでしょうか。

筋トレすることで、カラダを痛めてしまったり、背が伸びるのを止めてしまうかもと思うと、親としてみれば心配なことばかりですよね。

そこで、身長と筋トレの関係について調べてみました。

身長と筋肉

子どもの成長によくないと捉えられることが度々ある筋トレ。

「身長を伸ばすうえで、筋肉は悪」

みたいなところがありますが、実際は、

決して悪いことばかりではないようです。

正しい方法で筋トレを行えば、子どもの成長を助けることができます。

筋トレが子供の身長・成長に良くないとされている理由の多くは

「身長が伸びるのを止めてしまうから」「筋トレで関節を痛めるから」など、子どもの成長に悪影響を与えるとされる情報が広がっているからです。

それって本当なのでしょうか?

筋トレすると身長が伸びない??

結論からいうと、

「成長期に、筋肉をつけると背が伸びない」という説には、明確な裏付け・根拠はないそうです。

専門家によって、意見は分かれているようですが、

「筋肉が太くなって骨を抑えつけることで、骨の成長を妨げ、結果、身長の伸びを抑制する」ということはないようです。

なぜなら、筋肉が抑えつける力より骨が成長しようとする力のほうがはるかに強いということが、とある研究結果によって、すでに判明しているからです。

となると、よけい疑問に感じませんか?

なぜ、成長期に、筋肉をつけると背が伸びない説がこんなにも世間に浸透しているのかって…

成長期に筋トレは良くないと言われるワケ

そもそも、筋力トレーニングとは、筋繊維に傷をつけ、負荷をかける行為です。

そして、筋肉が持つ「修復しよう」とする性質を利用して強靭な体を作ろうというのが狙いです。

成長期の子供が行う筋トレで問題になるのは、骨の成長にどう影響するのかという点。

実は、身長が伸びるということは、骨全体が伸びるわけではないんです。

骨全体ではなく、骨の末端が伸びるのです。

骨の末端は軟骨になっていて、「骨端軟骨」と呼ばれています。

そして、成長期の子供が行う筋トレが問題になるのは、「骨端軟骨」に悪影響を及ぼすことにあるといわれているからなんです。

柔らかい組織でできている骨端軟骨は、成長期に毎日、負荷の高い筋トレを行うことで、強い衝撃がくり返されると、つぶれてしまう恐れがあるんです。

身長が伸びる末端がつぶれてしまうと、本来伸びるはずの身長が伸びなくなってしまう恐れがあるんです。

これこそが「成長期には筋トレをしてはいけない」という説が流れている一番の理由だそうです。

では、「骨端軟骨」が損傷するほどの筋力トレーニングとはいったいどんなトレーニングなのでしょう。

具体的に挙げられるのは、

  • スクワット
  • うさぎ跳び
  • 重りを使ったジャンプ動作
  • 長時間の縄跳び

たしかに、どれもハードなものばかり。。。

骨や関節に大きな負荷がかかりそうなのは容易に想像できますね。

筋トレは筋トレでも、”度を過ぎるような”筋トレこそが、子供の身長の伸びに良くないとされる原因というわけなんですね。

筋トレ全部が、身長が伸びるのを阻害するわけではない、というところが世間で誤解を生む一番の理由なのかもしれませんね。

筋トレすると身長が伸びる??

身長が伸びるための重要な骨端軟骨をつぶすほどの負荷の強い筋トレはたしかにやるべきではなさそうです。

その一方で、過度な負荷にならないレベルの筋トレであれば、成長が止まることはないばかりか、身長の伸びに好影響だとも言われているんです。

その理由は、運動・筋トレをすることによって、成長ホルモンの分泌が促進されるからです。

筋トレで筋肉に負荷を与えることは、筋肉繊維が傷つけ、筋肉痛を生みます。

この筋肉痛の痛みの原因である乳酸にこそ、成長ホルモンの分泌を促す効果があるんです。

だから、適度な筋トレは成長ホルモンの分泌を促すため、身長の増加に効果的だと言われるているのです。

では、過度な負荷にならず、成長ホルモン分泌を促す程度の適度な筋トレとは、具体的に何をすればいいのでしょうか。

子どもの成長に適した筋トレとは??

実は、赤ちゃんが大声で泣いたり、ハイハイする動作も、筋力を鍛える動きの一種だというんです。

意外ですね。

「筋トレ=ダンベルやバーベルなど重たいものを持って行うウエイトトレーニング」という印象が強いですが、何も筋トレはそうしたトレーニングジムでおこなわれているようなものだけではありません。

子どもが行うのに適した、オススメの筋トレは何かといえば、ズバリ、

自重トレーニング

自重トレーニングとは、自分の体重を重りにして行うトレーニングのこと。

子どもの年代別にみた、適切な筋トレとは、具体的にどんな自重トレーニング、筋力トレーニングになるのでしょうか?

幼児期にオススメの自重トレーニング

幼児期は、とにかくたくさん身体を動かすこと。

身体を動かして遊ぶことが何よりも大切だといいます。

遊びそのものが幼児にとっての筋トレなんだとか。

たとえば、すべり台やジャングルジムを登ったり降りたりすることは、手や足で身体を支えること、バランスを取ること、さまざまな体勢で手足を思い通りに動かすことの学びになります。

鬼ごっこ、縄跳びなどもオススメ。

とにかく、いろいろな遊びを体験させてあげましょう。

小学生時代にオススメの自重トレーニング

小学生低学年の時期は別名「ゴールデンエイジ」といい、運動関係の神経系を発達させる重要な時期なんです。

ただ、低学年は骨や関節への影響を考え、座った姿勢や寝た姿勢で行える簡単な筋トレが推奨されています。

そして小学生高学年の頃に、腹筋運動など動きのあるトレーニングをとり入れるのが良いようです。

中学生時代にオススメの自重トレーニング

中学生の時期は、身長や体重が急激に成長する時期。

身体がグッと大きくなるのと同様、運動の強度もグッと上がります。

この時期にオススメの筋トレは、自重トレーニングや、軽めのダンベルを使った筋トレ。

ですが、まだ高重量のウエイトトレーニングをする時期ではありません。

高校生時代にオススメの自重トレーニング

高校生の時期は、身長・体重の急成長が落ちついてきて、­筋肉の発達が著しくなる時期。

この頃になって初めて、自重トレーニングだけでなく、マシンやダンベル、バーベルなどの用具を使ったウェイトトレーニングをとり入れていい時期だとされています。

プロテインと身長

筋トレすると、身長が伸びないという噂話と同じくらい、よく耳にする話といえば、「プロテインを飲むと身長が伸びない」というのもありますよね。

「プロテインを飲むと背が伸びなくなるほど、筋肉がついてしまうから、子供のうちは飲まない方がいい」なんて、本当なのでしょうか。

実は、これもただの噂話にすぎず、完全な間違いなんだとか。

「プロテインを飲むだけで身長が伸びる」なんて冷静に考えると、頭に「?」がうかんできませんか。

筋肉をつけるためには、プロテインだけではなく、トレーニングも併せて必要になります。

プロテインは、筋トレによって破壊された筋組織に吸収されて初めて、筋肉の材料となりますので、ただ飲むだけで筋肉がつくということはないんです。

プロテインを飲むことと、身長が伸びないことの直接の因果関係はないわけですね。

まとめ

身長と筋トレの関係について、まとめてみましたが、いかがだったでしょうか。

筋トレやプロテインが子供の成長に悪影響を与える、というのは誤解の部分がとても多いようですね。

何事もやりすぎはよくないということの典型例といえるかもしれません。

適度な負荷で行う筋トレ・自重トレによって、子供の成長にポジティブな影響を与えてあげたいものです。

筋トレするなら、あくまで適度の範囲を心がけること、これがとても重要です。

なぜ身長が伸びないのか

高身長、低身長は、両親や家族の遺伝で決まるもの?

子どもの身長が低いのには様々な理由が考えられますが、多くの場合、小柄な子どもは、両親や家族も同様に小柄。

よく言われている遺伝的な要因、ってやつです。

ただ、なかには遺伝的・体質的な要因以外によって、成長にブレーキがかかっているケースもあるといいます。

それは具体的には、どんなものなのでしょうか?

身長が小さい理由

実際、身長を左右する原因の90%以上が遺伝的・体質的な原因によるものだと言われています。

もっと身長が欲しい、伸ばしたいと思って、身長が伸びるストレッチをしたり、身長が伸びる食べ物を積極的に食べたりしたとしても、どうしようもない面が大きいんです。

どうしようもない理由ならまだあきらめがつきますが、どうにかできるのに、適切な対応をとらなかったせいで、身長が伸びない、となったらどうでしょう。

後悔をズッシリと抱え込むことになってしまうのではないでしょうか。

遺伝的な要因以外で身長が伸びないケースとはどんなものがあるのか、そして、それに対処できる方法があるのか、について、調べてみました。

身長が伸びない6つの理由

1,ホルモン異常(成長ホルモンの分泌不足)

子どもの成長を調節する成長ホルモンの分泌が不足すること。

典型的には、生まれたときに、成長ホルモンを分泌する脳下垂体付近にダメージを受けることで、成長ホルモンがうまく分泌されなくなるケースが考えられるそうです。

また、生まれた時点では問題がなかったとしても、脳下垂体付近に腫瘍ができるなどの病気によって、正常に成長していた子どもが、あるとき、急に身長の伸びが鈍化することもあるといいます。

急に伸びが止まるってパニックになってしまいそうで、怖いですね…

ただ、成長ホルモン異常は、治療ができるので、早期発見・早期治療がとても重要になってきます。

成長ホルモンの役割とは…

成長ホルモンとは脳下垂体から血液中に分泌されるホルモンのことで、軟骨を形成し、骨を作る役割を果たしてくれる大切な存在。

成長ホルモンの分泌が不足している子どもは、身長の伸びが低下し、周囲の正常な成長を遂げている子どもたちと比べて、低身長となります。

また、成長ホルモンは身長を伸ばすためだけのものではないんです。

糖・脂質の代謝やタンパク質の合成にも関係してくる、とても重要なホルモンなんです。

2,染色体異常(ターナー症候群)

ターナー症候群とは、聞いたことがないフレーズかと思いますが、女の子だけにおきる染色体の異常のことです。

異常とは、2本あるX染色体のうち、1本しかなかったり、一部が欠けている状態を指します。

ターナー症候群の女の子は低身長であっても、均整のとれた身体に成長しますが、そのうち、70%近くというかなりの高確率で、二次性徴が見られないことや、難聴や心臓病といった合併症のおそれがあるといいます。

3,小さく生まれたことによる影響(SGA性低身長)

SGAとは”small-for-gestational age”の略で、お母さんのお腹の中にいる期間に相当する標準身長・体重と比較して、小さく生まれたことを指します。

身長と体重の両方が10パーセンタイル(100人中小さいほうから10番目)未満であると、SGA(出生時の身長・体重をみて専門医が判断)となるそうです。

ただ、SGAで生まれたから、その後も低身長のまま、というわけではなく、およそ90%は2~3歳までに身長が標準範囲に追いつくといわれています。

ですが残りの約10%の子どもたちは成長が追いつかず、「SGA性低身長症」が疑われるそうです(図2参照)

SGA性低身長症は、一定の条件(図1の斜線部分)に該当する場合には、成長ホルモンによる治療が可能になるそうです。

4,骨・軟骨の異常

骨や軟骨そのものの異常が原因で、身長が伸びない病気もあるそうです。

胴体と比較して手足が極端に短いのが特徴で、遺伝もありますが、80%以上が家族に同様の異常がないにもかかわらず、子供だけに異常が発生する突然変異だといいます。

5,主要臓器の異常

心臓、肝臓、消化器…

主要な臓器に異常があることが原因となって、成長に必要な栄養を体内に取り込むことができず、その結果、身長が伸びないケースもあるといいます。

6,心理社会的原因

ここまで紹介した5つは身体的な病気ですが、それとは別に、心理的、社会的な原因によって、身長が伸びないケースもあります。

具体的には、両親からの虐待やネグレクト(育児放棄・育児怠慢)など、愛情が欠如することで、良好な精神関係が形成できず、このために生じる精神・身体症状として、身長が伸びないということにつながるといいます。

身長欲しかったと後悔しないために

遺伝的・体質的な要因によらない要因として、いろいろなケースがあるんですね。

そう考えると、多少、平均身長よりも低いくらいで、悩んでいるなんて、贅沢な悩みとすら、言えるかもしれませんね。

ただ、中には、治療することで、成長を促すことができる可能性もたしかにあります。

治療さえしておけば、、、と後になって、後悔してももう時間を巻き戻すことはできません。

そんな後悔を避けるためには、身長の記録や成長の伸び率を注意深く観察して、何かおかしいのでは…と早めに異変に気づくことが、まず最初のカギとなります。

子どもの成長について、違和感や異常を早期に発見するために役立ってくれるのが「成長曲線」です。

身長成長曲線とは

成長障害かもと思ったら…

成長曲線を描くことが異変早期発見のキーとなります。

いざ、身長の伸びが小さい、遅れていると感じたなら、早め早めに専門医に相談することが大事になってきます。

成長障害かどうかを判断するには医師による検査が必要です。

そして、その治療法も原因によってさまざまですので、疑わしいと感じた場合には、適切な治療を受け、健やかな成長の可能性を少しでも広げるためにも、早期に病院に行くようにしましょう。

まとめ

子どもの身長が伸びないのは、親や子どもの努力次第でなんとかなる部分よりも、ならない部分の方が大きいのは、正直、悔しいところですよね。

ですが、なんとかなるのに、何もしなかったというのが一番悔やむことになると思うんです。

子どもの将来のためにも、親が子どもの成長をつぶさに観察してあげて、もし異変や異常を感じたら、早め早めに行動をおこしてあげたいところですね。